私はムスリムです

私は日本人改宗ムスリムです。イスラームについて学んだことをシェアしているブログです。

部屋章が教えるもの

大塚マスジド 金曜日礼拝ホトバ 要約 (2017年7月21日)

―― 部屋章が教えるもの ――

 

 

あらゆる賞賛は、賞賛を受けるに相応しい御方であられるアッラーのもの。アッラーでなくして、人々が崇拝するものは存在せず、アッラーには共同者はないことを証言する。また、ムハムマドは、アッラーのしもべであり、使徒であることを証言する。

 

信者たちよ。何かに従おうとするならば、至高のアッラーに従うようにしなさい。

アッラーは、クルアーン・部屋章において述べておられる。

「信仰する者よ、お前たちは、アッラーとその使徒を差し置いて勝手な振舞いをしてはならない。アッラーを畏れなさい。誠、アッラーは全聴にして全知であられる。」(49章 1節)

 

信者たちよ。聖クルアーンは、アッラーからしもべへの賜り物である。聖クルアーンは、心からの導きを求める者の為の教えであり、心から信じる者を加護する。また、聖クルアーンは、知識を教え伝えてくれるものであり、正しい道そのものであり、アッラーと信者たちとの間を結びつける丈夫な綱である。聖クルアーンに密着する者は、確かで値打ちのある報酬を手にする。聖クルアーンの教えに従う者は、公正さを保持することに於いて、失敗することはない。そして、聖クルアーンの教えを人に勧める者は、真直ぐと導かれるであろう。

 

部屋章は、クルアーンの一つの章である。そこには、立派な社会集団の価値と慣習を強める、あらゆる気高いものが含まれている。そうした集団の中の思慮深い人々にとっては、個人や集団内の係わり方を統括する道徳的な教えがそこにはある。そうした道徳的なものは、流布する情報の正確さを慎重に見極めるように注意しなさいと呼びかける。なぜならば、嘘が流布する結果、集団の絆が崩れ出し、挙句の果てには、人々の結びつきを崩壊してしまうからである。至高のアッラーは、クルアーン・部屋章において述べておられる。

「信仰する者よ。邪悪な者がお前たちに情報を提供したならば、慎重に確かめなさい。それは、お前たちが気付かない内に人々に危害が及び、それによって行ったことを後悔することにならない為である。」(49章 6節)

この章節は、情報が本当なのか嘘なのかを、確かめるようにと呼びかけているのである。それをするのを怠れば、簡単に集団に分裂を引き起こし、憎しみを助長することになるからである。そしてそれは、時には事実無根の中傷や、裏付けのない、いい加減な情報が原因で起こるものである。何かを言う前に、自分が言おうとすることの真偽を確かめるべきである。聖クルアーンは、情報の根源から情報を得るように教えている。クルアーン・食卓章において、アッラーは、預言者イーサー(平安を)に問う形で、そのことについて述べておられる。

「また、アッラーがこのように仰せられた時を思え。『マルヤムの子イーサーよ、あなたは、アッラーの外に、自分自身と自分の母親とを2柱の神とせよと人々に告げたか。』 彼(マルヤムの子イーサー)は,申し上げた。『あなたさまに讃えあれ。私に権能のないことを、言うべきでありません。もし、私がそれを言ったならば、必ずあなたさまは御存知です。あなたさまは、私の心の中を御存知です。だが、私は、あなたさまの御心は存知ません。誠、あなたさまは、凡てのことの真意を御存知であられます。』」(5章 116節)

預言者ムハムマドSAWは、噂話の蔓延と良くない話が、人々の間に不和を引き起すだろうと述べて警告しておられる。預言者ムハムマドSAWは、述べられた。「アッラーの御目にとって最良の人物とは、アッラーの御満悦を得ることの大切さを知っている者であり、一方、最悪の人物とは、噂話を好む者であり、愛する人々を分裂させ、他人の苦痛と困難の原因を作ることを望む者である。」

 

信者たちよ。部屋章では、良い行いと信仰を否定するような振る舞いを禁じている。例えば、いじめの行為、人を馬鹿にしたあだ名で呼ぶことなどである。それらは、憎しみを生みだし、敵意を助長する原因となる。

アッラーは、クルアーン・部屋章において述べておられる。

「信仰する者よ、或る者たちに、他の者たちを嘲笑させてはならない。それら(嘲笑された方)が、彼らよりも優れているかも知れない。女たちにも、他の女たちを(嘲笑させてはならない)。その女たちが、彼女たちよりも、優れているかも知れない。互いに中傷してはならない。そして、あだ名で、罵り合ってはならない。信仰に入った後は、悪を暗示するような呼名は良くない。それでも止めない者は、不義の徒である。」(59章 11節)

預言者さまSAWは、述べておられる。「ムスリムは、ムスリムの兄弟である。どの一人でも、他を威圧してはならない。見捨ててはならない。嘘を吐いてはならない。軽視してはならない。(胸を三回指さして)信仰は、まさにここにある。ムスリムの兄弟を軽視し続ける者は、まぎれもなく邪悪な者である。」

 

信者たちよ。その同じ部屋章において、アッラーは、集団を愛と親切とで結びつけるようにと要求しておられる。人々の生活、財産、誠実さが護られるような四囲の状況は、愛と親切によるものだからである。強者が弱者を威圧してはいけない。また、富める者は貧しい者を助けるべきであり、近所の者は互いに訪問し合い、健康な者は病人を見舞い、誰もが嘘を吐くことがあってはならない。人々は、愛による結びつきによって共存し、宗教と集団意識によって互いが一つになるべきである。それが全能のアッラーが御好みの社会の特質である。

アッラーは、クルアーン・部屋章において述べておられる。

「人々よ、われは一人の男と一人の女からお前たちを創り、種族と部族に分けた。これは、お前たちを、互いに知り合うようにさせる為である。アッラーの御許で、中でも最も貴い者は、最も主を畏れる者である。誠、アッラーは、全知にして、あらゆることに通じておられる。」(49章 13節)

 

信者たちよ。誰しも、完全に心からアッラーに従いなさい。イスラームでは、陰口を禁じている。なぜなら、陰口は、個人にも社会にも、取り返しのつかない危機的な損傷を与える原因となり兼ねないからである。

アッラーは、クルアーン・部屋章において述べておられる。

「信仰する者よ、邪推の多くを追い祓え。誠、邪推は、時には罪である。無用の詮索をしたり、また、互いに陰口を言ってはならない。死んだ兄弟の肉を食べるのを誰が好むものか。お前たちは、それを忌み嫌うではないか。アッラーを畏れなさい。誠、アッラーは、度々赦される御方、慈悲深い御方であられる。」(49章 12節)

アブー・フライラ師(平安を)は、伝えている。「アッラーの御使いSAWが教友たちに、『あなた方は陰口とは何か知っていますか。』と尋ねられた。すると、教友の一人が、『アッラーと、その使徒が最も御存知です。』と言った。そこで、御使いSAWは、『あなたの兄弟が嫌っていることを敢えてあなたが言うことです。』と言った。すると、『それなら、もし、その兄弟に私が言う通りのもの(即ち、欠点)が実際にあった場合にはどうですか。』と尋ねた。そこで、御使いSAWは、言われた。『その兄弟にあなたが言う通リのもの(即ち、欠点)があったとしても、あなたが彼の陰口を言ったことには変りはありません。そしてもし、その事実が無かった場合には、彼を中傷したことになります。 』」 また、アッラーの御使いSAWは、「いずれのムスリムの生命、財産、名誉が、他のムスリムによって犯されることが、許されてはならない。」と言われた。

 

預言者ムハムマド、教友とその一家に祝福と平安がありますように。そして、正当なカリフ、アブーバクル師、ウマール師、ウスマーン師、アリー師と、正しい道に従う者たちに、祝福と平安がありますように。

 

アッラーよ、部屋章を通しての教えを十分理解し、行いに反映できるように御導き下さい。

アッラーよ、あなたさまを称讃し信頼し、あなたさまに感謝する者であるように御導き下さい。

アッラーよ、あなたさまを愛し、預言者さまSAW を愛する者であるように、御導き下さい。

アッラーよ、預言者ムハムマドSAW に従い、イスラームの教えを守る者にして下さい。

アッラーよ、私たちの信仰心を強くして下さい。私たちの過ちを御赦し下さい。

アッラーよ、日本中に、世界中にイスラームを広められるように御力添え下さい。

アッラーよ、イスラームムスリムたちの為に奉仕出来るように力と御加護を御与え下さい。

アッラーよ、病気の者たちを御治し下さい。仕事の無い者たちに清い仕事を御与え下さい。

アッラーよ、日々の生活に活力と喜びを、そして安心と安全を御与え下さい。 アーミィーン