クルアーンが持っている治癒力
大塚マスジド 金曜日礼拝ホトバ 要約 (2017年7月28日)
―― クルアーンが持っている治癒力 ――
あらゆる賞賛は、賞賛を受けるに相応しい御方であられるアッラーのもの。アッラーでなくして、人々が崇拝するものは存在せず、アッラーには共同者はないことを証言する。また、ムハムマドは、アッラーのしもべであり、使徒であることを証言する。
畏れるべき存在であるアッラーを畏れなさい。アッラーは、クルアーン・戦利品章において述べておられる。
「信仰する者よ、もし、お前たちがアッラーを畏れるならば、アッラーは、お前たちに違いを与え、お前たちの悪業を消滅し御赦し下される。誠、アッラーは、偉大な恩恵の主であられる。」(8章 29節)
信者たちよ、聖クルアーンは導きの書であり、そのものが人類全員に対する慈悲である。聖クルアーンには、悩みに対する慰めがあり、真理の教えがあり、人々を教化するものがある。
至高のアッラーは、クルアーン・夜の旅章において述べておられる。
「われが(段階を追って)クルアーンをもって下したものは、信者にとっての癒しであり慈悲である。だが、不義の徒にとっては、ただの損失の種である。」(17章 82節)
預言者さまSAWは、クルアーンのある章節には、信仰心をより強くし、自分自身を守る偉大な力が備わっていると信じておられた。例えば、黎明章と人間章には、深い意味と、影響力、多くの真実と偉力とが備わっている。それに関して、預言者さまSAWは、「昨夜、これまでにない思いもよらないような章節の啓示があった。それは「言え『黎明の主に御加護を求め願う』」(黎明章113章 1節)と、「言え、『人間の主に御加護を求め願う』」(人々章114章 1節)である。」と言われた。この二つの章は、人から脅されている者を守り、心配を鎮める力がある。ウクバ・ビン・アーミル師(平安を)は伝えている。「私が預言者さまSAWにお供し、ラクダを御していた時に、預言者さまSAWは、言われた。『ウクバよ、二つの最も大事な章を読んで聞かせたことはなかったかな。それは「言え『黎明の主に御加護を求め願う』」(黎明章113章 1節)と、「言え、『人間の主に御加護を求め願う』」(クルアーン第114章)である。』 そのように嬉しそうに語られるのを拝見したことがないほどに、預言者さまSAWは、嬉しそうでした。礼拝の時刻になりラクダから降りられ、預言者さまSAWは、早朝の礼拝の先導をなされ、その二つの章を詠まれた。礼拝を終えると、私の方を向かれ、『ウクバよ、何かを感じたかな。』と私に尋ねられました。」 朝に夕に、この二つの章を読むならば、困っている人の悩みは晴らされ、加護が得られることだろう。また、アーイシャさま(平安を)は伝えている。「毎晩、預言者さまSAWは、床に入る前に両手を揃えられ、息を吹きかけ、そこに向かって、『その御方はアッラー、唯一であられます。』『黎明の主に御加護を求めます。』『人間の主に御加護を求めます。』と唱えられ、その後、最初に頭、次に顔、更に体の前面を、何かを払いのけるように両手でさすられました。それを三回繰り返されました。」
信者たちよ、この両方の章を読誦することは、アッラーに悪魔からの解放を願い、御加護と救援を求める為の祈願となる。何かの不快や普通ではない気分になったら、また、忍び寄る悪い囁きが気になったら、自分の身を護り安全を図る為に、アッラーに御加護を求めなさいと、アッラーは命じておられる。至高のアッラーは、クルアーン・高壁章において述べておられる。
「また、悪魔からの中傷があなたを悩ました時には、アッラーの御加護を求めなさい。誠、アッラーは、全聴にして全知であられる。」(7章 200節)
何かを行う時には何時でも、それが、普段の行いであっても、信仰行為であっても、クルアーンを読誦する時であっても御加護を求めなさいということである。悪魔は、ムスリムたちが主への信仰行為を怠るように囁くのが生涯の使命であるから油断の無いようにしなさい。アッラーは、クルアーン・蜜蜂章において述べておられる。
「お前がクルアーンを読唱する時は、忌まわしい悪魔からの御加護をアッラーに祈りなさい。」(16章 98節)
預言者さまSAWは、「呪わしい悪魔から、悪魔の息遣いから、悪魔の嫌がらせから、悪魔の悪事への勧めから護って頂けるように、私は、アッラーに御加護を求めます。」といつも祈願しておられた。
信者たちよ、アッラーは、クルアーン・黎明章において述べておられる。
「『結び目に息を吹きかける(妖術使いの)女たちの悪から、』」(113章 4節)
黒魔術やそうした類の妖術の一例として、結び目に息を吹きかける術を掲げているのである。それは、間違った行為である。飲み終わったコーヒーカップを伏せたり、星占いなどにより未来を予言したり、運勢の判断をしたりするなどを含む。預言者さまSAWは、「まじないの為の結び目を作り、それに息を吹きかける者は、妖術を行った者である。妖術を行った者は、悪事を行った者である。魔除けなどの何かを有難がる者は、それに自分自身を委ねる者である。」と警告され、誰かの妬みなどの悪感情に対して、アッラーの御加護を求めなさいと信者に呼び掛けておられる。アッラーは、クルアーン・黎明章において述べておられる。
「『また、嫉妬する者の嫉妬(と言う災厄)の悪から。』」(113章 5節)
妬みの感情を持つ者は、他の人に幸運が向かわないようにと望んでいる。そうした好ましくない感情に支配されるようになった者は、他人の為の落とし穴を探し、他人が失敗と困難に遭遇するのを望むものである。妬みの感情は非難に値するものであり、クルアーンを読誦し、アッラーを思い、預言者さまSAWの教えに従って自分自身を他人の妬みから守らなければならない。悪魔のささやきに自分を委ねてはならないし、浄める力があると宣伝する占い師は大嘘つきであり、そんな占い師の許を訪ねるようなことがあってはならない。我々の誰でもが良くなることを求めるならば、預言者さまSAWが教えられたように、クルアーンの然るべき章節を読誦し、礼拝や祈願をすることである。それが、自分や家族の為の良い意味でのまじないとなる。つまるところ、我々各人は、誰よりも自分自身に注意を払い、自分を一番悩ますものが何であるかを最もよく知ることである。良い意味でのまじないというものは、預言者さまSAWの習慣的な行いの一つであり、アーイシャさま(平安を)は、次のように伝えている。「預言者さまSAWが病気になられると、クルアーンの最後の3章を読誦され、そして、ご自分に息を吹きかけておられました。そして、病が重くなった時には、私がそれを読誦し、御使いの手に私の手を添えて、祝福が多くあることを祈願してこすって差し上げました。」 また、預言者さまSAWは、孫のハサンとフサインの為に、「あらゆる悪から、あらゆる有害なものから、悪影響を与える悪い眼差しから、アッラーの完全無欠の御言葉によって、二人が加護されますように。」と述べ、アッラーに御加護を願われたということである。更に、預言者さまSAWは、アッラーの御加護がいつでも得られるように、クルアーン・玉座節(2章 255節)他を読誦するようにと推奨なされた。また、預言者さまSAWは、述べておられる。「誰かが、夜に雌牛章の最後の二節を唱えるとすれば、その二節は、その者を満たすこととなるだろう。」 誠に、アッラーの御言葉は、心の病に対する確かな治療薬である。至高のアッラーは、クルアーン・ユーヌス章において述べておられる。
「人々よ、お前たちの主から確かに教えが下された。これは、胸の中にある(心配事や、他の心の病いなどの)ものを癒し、また、信者に対する導きであり慈悲である。」(10章 57節)
その教え、即ち、クルアーンの或る章節は、困難で体力を減退させる元である病気に悩む人々に治癒の力を提供する。そのことを信じ続けることであり、クルアーンが、心をはずませ、心に明かりを灯し、悲しみを除去し、心配を取り除く為に作用するようにとアッラーに祈願することである。
預言者ムハムマド、教友とその一家に祝福と平安がありますように。そして、正当なカリフ、アブーバクル師、ウマール師、ウスマーン師、アリー師と、正しい道に従う者たちに、祝福と平安がありますように。
アッラーよ、クルアーンを学び読誦し、病気や困難から護られる者であるように御加護下さい。
アッラーよ、あなたさまを愛し感謝し、預言者さまSAW を愛する者であるように、御導き下さい。
アッラーよ、預言者ムハムマドSAW に従い、イスラームの教えを守る者にして下さい。
アッラーよ、私たちの信仰心を強くして下さい。私たちの過ちを御赦し下さい。
アッラーよ、日本中に、世界中にイスラームを広められるように御力添え下さい。
アッラーよ、イスラームとムスリムたちの為に奉仕出来るように力と御加護を御与え下さい。
アッラーよ、病気の者たちを御治し下さい。仕事の無い者たちに清い仕事を御与え下さい。
アッラーよ、日々の生活に活力と喜びを、そして安心と安全を御与え下さい。 アーミィーン