人類への啓示
アッサラーム アライクム 兄弟姉妹の皆様
東京ジャーミイ金曜日のホトバ
2018年4月13日
「人類への啓示の最初のことば:「読め!」」
ジュムア・ムバーラク、尊敬すべき信仰者の皆様!
イクラア ビスミ ラッビカッラズィー ハラク
ハラカル インサーナ ミン アラク
アッラズィー アッラーマ ビル カラム
アッラマル インサーナ マラム ヤアラム
ホトバの始まりに引用したアーヤ(節)は、私たちの預言者に、ヒラーの洞窟で最初に啓示されたものであります。これらのアーヤにおいて、アッラーは次のように述べておられます。「読め、『創造なされる御方,あなたの主の御名において。 一凝血(いちぎょうけつ)から、人間を創られた。』読め、『あなたの主は、最高の尊貴であられ、筆によって(書くことを)教えられた御方。人間に未知なることを教えられた御方である』。」私たちの最愛なる預言者は、このご命令を授かり、ハディースにおいて次のように宣言なさいました。「誰であれ知識を求めて旅立つ者は、帰るその日まで、神の道にいるのである」。
尊敬すべき信仰者の皆様!
人間にとり、苦しみ、悩み、最大の努力を払う価値のある目的のひとつが、知識の獲得であります。知識とは、人類の道を照らす宝であり、知恵とは、人が達成する中でも最も賞賛に値(あたい)する品格であります。このように、最後の啓示の書は、「イクラ(読め)!」との御言葉(みことば)をもって始まるのであります。読むことは、美徳を追求することであります。読むことは、真理に達することであります。読むことは、創造、生命、宇宙の背後にある意味を探求する旅の只中(ただなか)にある人にとり、最も近しい友なのです。私たちの聖典は、「知っている者と、知らない者と同じであろうか」と示唆(しさ)することで、人類にとり、知識と知恵にはかけがえのない価値があることを強調しています。私たちの恵みふかき書であり、知恵の神聖な泉であるクルアーンは私たちに、ものごとを考え、知性を使って真の知識に到達するよう命じ、また「無知の者から遠ざかれ」「無知な者の仲間となってはならない」と警告することにより、無知を批判しています。このように、私たちが自らの宗教的、社会的な責任を学び、正しいことと誤ったことの区別を知るためにも、書を読み、知識を獲得することは、すべてのムスリムにとって不可欠な義務なのであります。
尊敬すべきムスリムの皆様!
知識は人間のためにあります。人は知識によって高められるのです。正しい典拠(てんきょ)から得た本物の知識によって、人は公正さに到達し、社会を導き、世界を形づくるのです。知恵は平和と幸福をもたらし、また現世と来世における繁栄(はんえい)を人間にもたらします。その一方で、無知は恥と欺瞞(ぎまん)をもたらし、過ちと害をもたらすのです。
愛されし信仰者の皆様!
私たちの預言者によって建立された、アル・マスジド・アン・ナバーウィー(預言者モスク)は、学びの中心地であります。私たちの預言者(彼の上に祝福と平安あれ)は、すべての信仰者たちを、男も女も、老いも若きも彼のマスジドに招き、アッラーは、学びに専念する者たちのために天へと至る道を容易なものとされるだろうと告げました。
尊敬すべき信仰者の皆様!
私たちは、情報とテクノロジーの時代に生きています。しかし人類はこれらを、地上の善を守るためではなく、むしろこれらを悪用し、よからぬ行(おこな)いに用いることが多くありました。知識が倫理と切り離されれば、人は人間としての固有の価値から切り離されてしまうのです。
この点に関して、真の知識と正しい情報源を追求し、適格な典拠から知識を得て、学んだことにふさわしく行動することは、私たちの共同体としての責任なのであります。
兄弟、姉妹の皆様!
私たちは親として、クルアーンとスンナによって培(つちか)った信仰の良心をもって、崇拝行為(イバーダ)の愛と道徳の感覚とともに、私たちの子どもたちを育ててゆきましょう。子どもたちが善良な人となり、模範的な信仰者となるよう、努力を重ねてゆきましょう。